ソーラーパネルを重塩害地域に設置可能
お客様より海の近くでのソーラーパネルの設置について「重塩害仕様、塩害仕様のソーラーパネルですか?」というご質問をいただくことがあります。
しかしながら、一般的に塩害仕様か塩害仕様でないかということは、明確な基準はなく各業界・業態でもその基準も違うようです。さらに、各メーカーでも塩害や塩害地域の考え方が違うようでなかなか一言では言えないのが現状です。
一方、RECの設置マニュアルには「塩水/塩水飛沫に直接曝される場所」について設置の制約をしております。ですので、海岸から何メートルというような表記ではありませんので、逆に言うと、海岸近くや塩害地域というような場所でも塩水飛沫が直接かからないような状況では設置可能となります。あくまでも塩水飛沫が直接かかる場所の設置について保証の対象外となります。
業界基準の塩水噴霧耐食性試験で、IEC61701のSeverity6という最高ランクの認証を得ています
ソーラーパネルのIEC規格では塩水噴霧(耐食性)試験の基準があり、基本その内容で業界統一されております。
しかし、ここで注意が必要なのは、この試験には5段階の試験があり、最小限の試験をクリアした場合でも認定書は発行されるという点です。
この規格に関してRECではIEC61701のSeverity6という最高ランクの認証を取っています。(ここをクリックすると証明書をご覧いただけます)
下表のように基準が区分けされておりますので、皆様が設置を考えている地域でどの基準までの物を採用するか参考にされてはいかがでしょうか。
特に、メーカーにより塩水噴霧試験のSeverity等級が違いますので各メーカー様によく確認されることをお薦めします。
IEC61702 塩水噴霧試験のSeverity(厳しさ)条件
塩害地域設置での問題
塩害地域で設置されて問題となっているのはコネクタ内の金属部の錆び、及び焼損です。RECでは、この不具合はすべて互換コネクタ間の接続部分で発生しています。理由は、互換コネクタは純正コネクタと若干の寸法誤差があり嵌合部分に隙間が発生する可能性があります。その為、霧状の海水(又は塩分濃度の雨水等)が隙間部分より侵入しコネクタの金属部分が腐食して熱を持ち最終的にコネクタの焼損が発生します。そのため、現在RECでは、純正コネクタのStäubli社製 MC4コネクタのみを使用しております。また、パネルと接続する際のケーブルについても、純正コネクタのみの接続しか許可しておりません。
コネクタ接合部周辺の空気循環ができるスペースを確保
塩水の塩害などもですが、そもそも湿気が電気的接合部に滞らないようにすることが大切です。水たまりが常時または定期的に発生する環境にソーラーパネルのコネクタを放置しないでください。風雨後にはコネクタを完全に乾いた状態に戻すことが必要です。RECのソーラーパネルに装備されているコネクタの保護等級は結合時にIP68(以前はIP67)以上となりますが長時間湿気が滞ると毛細管現象のように湿気が侵食して接合部が破損することがあります。(※防水防塵のIP規格についてはこちらを参考にしてください)
上記の施工は一見丁寧に架台などに結束して整理されているように見えますが、コネクタの接合部分が架台に密着しています。 このように電気的接合部分が他の部材と密着していますと風雨後、接合部に乾燥しきれない湿気が、時間をかけて毛細管現象のようにして水分が接合部に入り込み破損する恐れがあります。 | コネクタなどの電気的接合部は、上記の写真のように架台などから離して施工することで、コネクタの周囲に十分な空気循環を確保することができます。 このように施工することで排水性が良くなりコネクタが湿気に覆われても早く乾燥して乾いた状態に保つことができ、損傷の危険性が低減します。 |
ソーラーパネルの配線に注意
また、日ごろは塩水がかからないけど、台風や強風などで塩水がかかってしまう場合はあります。こういった場合は、お手数ですがやはり真水で海水を洗い流してあげてください。冬場に積雪地域の道路に塩化ナトリウム(凍結防止剤)をまいた道を車で走ったりした場合、車体裏をお水で洗い流したりしますが、それと同じで最小限の清掃は必要となります。もちろん防水防塵規格は前にもブログで書いた通り製品自体はIP68規格ではありますが、表面の腐食には経年(雷やその他自然現象)での限界がありますのでご注意ください。
また、塩害地域の場合、材料そのものも大切ですが、アースの施工や架台と止付けるボルトナットの選定、絶縁ワッシャーなど、施工上にもたくさんの注意が必要です。
ということで、RECでは塩水噴霧耐食性試験でIEC61702のSeverity6という試験にクリアしてますので、RECは塩害仕様のソーラーパネルとしています。
もちろん、設置場所や施工方法、メンテナンスなどきちんとマニュアルに沿って設置頂くようお願い申し上げます。
REC社製太陽光パネルを是非、ご検討いただき、お気軽にご相談ください。ご相談はこちら!